宮中三殿2014年12月23日 16時08分54秒


中央の賢所には天照大神
向かって左が皇霊殿
そこには歴代天皇・皇后・皇族の御霊
向かって右が神殿
八百万の神が祀られる

そこは私たちは決して
立ち入ることが出来ない聖域で
そこで天皇皇后両陛下は
一年を通じて何度も何度も
日本国民の幸せを祈る

総理大臣も社長も校長先生も
そこまで他人の幸せを祈ってはくれない
誰だってまづは自分のことで精一杯なのだから
それは当たり前のことだ

自分のことは置いといて
人々の幸せを祈り続ける人物など
世界中探してもそういるものではない
私利私欲などなく
国民全てのために日々祈り続けている
日本は
このような存在をシンボルとする国なのだ

来る年が明るい年となるようにと
皆の健康と幸せを祈りますと
大雪の北国で屋根の雪下ろしをする
俺の母親のことまでも気遣ってくれる

俺の生まれた国は
そんなエンペラーのいる国なんだぜと
世界中の人に自慢したいものだ

だから
張り切って行こうぜ
そんなエンペラーのいる国で
胸を張って行こうぜ
そんなエンペラーのいる国に
俺達は生まれたんだろ

天皇誕生日一般参賀
昨年までは帰り道に喫煙スペースがあって
千代田区のど真ん中で吸う煙草は
格別の旨さだったのだが
どういうわけか今年はスペースが無かった
皇居内は千代田区生活環境条例の
禁煙地区には指定されていない筈だが
大丈夫か
なんだかじわじわと
世の中がつまらなくなっていくようだな




宮中三殿
東京都千代田区千代田1-1

金山神社2014年11月08日 16時37分28秒


俺は炎を見つめている
燃え盛る炎
形と色で俺はわかるんだ
俺は炎を見つめている
片目を瞑って
見つめている
もうじき
この目もやられるだろう
俺の親父や爺さんがそうだったように
俺の一族が昔からそうだったように
ヒトツメに
ヒトツメになる定めなのさ

技術者集団は半島からやってきた
風を読み
地形を読み
西北の風が吹く山の斜面が選ばれた
タタラが幾つも作られ
そこから産み出される
ピカピカに光り輝く鉄や銅に
人々は驚愕した

人々にとって
彼らは全くの異人であった
片目のつぶれた者
片足を失った者
異形の者たちはしかし
魔法のように鉄や銅を作り出す
彼らは神であった

権力者たちはこぞって彼らを取り込んでいく
巨大な銅剣は力の象徴
鉄や銅で兵士は武装し
鉄製の農具は一気に農地を拡大させた
農耕の神と金属の神の融合
それはいつしか
天皇の系譜へとつながっていく

長い歴史の中でしかし
製鉄の技術は珍しいものではなくなっていった
技術者たちはあくまでも職業人であり
坦坦とその技術が次代へ受け継がれていく
神は神社に収まり
職業人が仕事の無事を祈る信仰施設となって今に至る

江戸の町の鍛冶屋や鋳物師は
お稲荷さんを信奉していた
お稲荷さんも実は金属神という説もあるが
江戸の職人がそれを知っての話でもないだろう
鉱山があったわけでもない江戸の地に
古くから金属神が伝わっていたわけもなく
代表的な金属神を呼び招くほどの
強い職人集団など存在しなかったということだろう
お稲荷さんを代替に毎年11月8日
みかんを配るふいご祭りが執り行われたそうだ
あるいは
江戸の為政者が金属神を嫌ったのかもしれない
治水に悩む江戸の町には
水を生む金は忌避された
というのは私の想像だが

東京における代表的な金属神の登場は
戦後を待たねばならなかった
昭和27年に東京金物同業組合によって
岩本町に金山神社が勧請された

金山神社には
岐阜県にある南宮神社の祭神
金山彦命カナヤマヒコノミコト
金山姫命カナヤマヒメノミコト
が祀られている
火の神カグツチを産んだイザナミが苦しむ中
嘔吐した吐瀉物から生まれた神だ
溶融して流れ出す鉄のイメージだという

古代において
異形の神と畏怖された技術者は職業人として
神格は職業人の信奉する神社として
今の世につながる
だが
人々の驚愕し畏怖した想いは
行き場を失った
それは
そのポテンシャルを保ったまま正負を逆転させ
ヒトツメコゾウ
イッポンダタラ
という妖怪となって
今でも時々
子供達の間でブームを巻き起こす




金山神社
東京都千代田区岩本町2-1-5

神田明神その3〜mement mori2014年09月20日 22時54分52秒

あいつは死んでしまった
手紙をもらったのが一年前か
大腸ガンだと書いてあった
俺にも精密検査行った方がいいですよと書いてあった
まだ行ってない
少しでも笑ってくれるかと
俺は神田明神の隣で買った
将門キューピーを送った
そしてこの夏
奥さんと三人のまだ小さい子供を残し
あいつは死んでしまった

悲しみの矢は突き刺さって抜けやしない
こめかみを貫いた矢のように

神道では死は忌避される
ケガレと捉え遠ざける
身内が死んだら五十日は神社に来るなと言う
死の前で神は無力を露呈する
長い歴史の中で
死の領域までカバーする仏教に
軍配が上がっていったのは当然かもしれない

だけど怒りと欲に満ちた無知な私達は
お釈迦様の言葉を理解できず
いつまでもお坊さんのお経をありがたがったり
意味不明の呪文に不思議な力を信じたりしてる

お経はもともとはお釈迦様の言葉で
その言葉は死んだ者への供養なんかではなく
はっきりと生きている者へ向けられている

明日とか昨日を妄想しないで
無常の今を生きろと言う
慈しみの心を持って
全ての生命の幸福を願えと言う
自分もまた必ず死ぬのだということを知り
悲しみを超え今を生きろと言う
その言葉は
とてつもなくポジティブで正しい

「家についた火を水で消し去るように、
智慧に満ちた賢者、巧みな人は、
湧き起こった悲しみを、
風が綿花を吹き払うように、即座に消す。

自分の憂い、未練、悲しみを引き抜くこと。
自分の幸福を求める者は、
刺さった箭を引き抜くのである。

箭を引き抜き、涼やかになり、
こころのやすらぎを得る。
一切の悲しみを乗り越えて、
悩みなき寂静に達する。」
(「箭経」アルボムッレ・スマナサーラ訳)
※箭:矢のこと。




神田神社
東京都千代田区外神田2-16-2

日枝神社2014年02月15日 17時29分35秒

そうです
あの川で洗濯をしていたら
この鏑矢が流れてきたのです
ええ
家に持ち帰って
昼も夜も鏑矢を眺めて暮らしました
だってなんだかとっても男らしい形なんですもの
真っ赤で固くて大きくて
撫でたり...頬擦りしたりしました
えっ
そんなこと...
そんなことしてません
確かにその後この子を身籠りましたが
決してそんな...

日枝神社の祭神は大山咋神オオヤマクイノミコト
元々は渡来系の秦氏によって信奉されていた神様
鏑矢に姿を変え川を下り
拾った女性を妊娠させるという話が伝わる

平安時代には天台宗延暦寺の守護神となり
坊主のくせに武装した集団は
強訴を叫び朝廷を震え上がらせた
その勢力は全国に及び
歴代の将軍が手を焼く中
織田信長は比叡山の焼き討ちを決行
社殿は灰燼に帰す
その後秀吉の保護により復活
江戸時代には徳川と強く結びつき
江戸城の裏鬼門の守護として
今の永田町に日枝神社が建立される

現在では
独特の鳥居で他の神社との差別化を図り
皇城の鎮の扁額を掲げ国家との結びつきをアピール
秦氏が酒造技術を得意としたからか
全国から寄進された樽酒がずらりと並び
永田町にあるからか政治家の参拝も多いという
初詣には25万人の人手があり
年末には100人近くの巫女のバイトが募集される
年間を通してウエディングビジネスも盛んだ
この繁栄振りは
現在を生き延びる
神社の事業モデルの究極の姿かもしれない

2008年6月13日この赤坂の日枝神社で
神職である権禰宜(当時31才)が
巫女を強姦する事件が起きた

神幸祭の打ち上げの席で
権禰宜は巫女に2時間飲酒を強要し
社務所地下二階の女子更衣室で
巫女を脅し強姦
何故か警察は権禰宜を逮捕しなかった
書類送検後に強姦罪で起訴
懲役3年の実刑判決が下される

酔っぱらって鏑矢にでもなった気でいたのか
どうにも胸糞の悪い話である





日枝神社
東京都千代田区永田町2-10-5

神田明神その22014年01月18日 17時27分12秒

神田明神の本殿の裏手には
幾つかの境内社や末社が並び
また神輿や鳳輦の倉庫がある

一之宮である大己貴命オオナムチノミコトと
二之宮である少彦名命スクナヒコナノミコトの
鳳輦と神輿二基が収まっている奉安殿
その入口はまっすぐ本殿に向かっている

ところが
三之宮である平将門の奉安殿は
大己貴命と少彦名命とは完全に切り離され
本殿の真後ろに
入口がほとんど90度横を向いて建っている
何故だか理由はわからない

大己貴命は大国主命の別名である
出雲大社の大国主命の神座は
拝殿に対して真横を向いているという
たくさんの人が神様の横顔に
参拝しているらしい
何故だか理由はわからない

古代から現代に至るまで綿々と
僕らはいつも本当のことを教えてもらえず
仕掛けられた支配者の思惑に
気付かず日々を過ごしているのかもしれない




神田神社
東京都千代田区外神田2-16-2