洲崎神社〜パラダイス、夢の跡2013年02月17日 19時21分57秒

深川の海の先っぽ、洲崎神社の隣の埋め立て地に巨大な遊郭が誕生した
橋だけが唯一、遊郭への入り口
東京帝国大学の設置にあたり、根津遊郭の移転先としてこの埋め立て地が選ばれた
あるいは 遊郭を移転するため埋め立て地が造成されたのか
そうであれば 遊郭造営に公金が投入されたということだろうか
興味は尽きない

戦後、東側が赤線となり、洲崎パラダイスのネオンアーチが橋を渡った入り口を飾った
昭和33年の売春防止法施行によりネオンは消え、住宅地として現在に至っている

人は入れ替わり、日常の生活を送る姿は他の街となんら変わるところはないが
新しい家やマンションの間に異様な建造物が突如現れる
柱に貼られた細かいブルーのタイルはまるで宝石のように存在を誇示する
壁面に残る屋号の文字、客を待つ女達が入口付近に座る古写真と光景が重なる

つい最近まで残っていたこれらの建造物ももはや存在しない
正式な記録にもなり得ず、歴史的価値も認められず
日常の生活の反復がやがて過去を完全に人々の記憶から消し去るだろう

だが
歩くとわかる
街の中心を貫く道路の異様な広さは
火除けの知恵であり 吉原仲之町を模した大通りであり
海に向かって堂々たる桜が植えられていた名残だ
整然とした区画は遊郭のための設計だ
ここを歩くと
大勢の人々の欲と狂乱と悲惨と絶望が粘性のある地霊となって
鮮やかなタイルの破片と共に
この薄っぺらいアスファルトの下に蠢いている
そんな気さえしてくるのだ

洲崎神社の祭神は女神である市杵島姫命
波除の碑は過去からの津波の警告



洲崎神社
東京都江東区木場6-13-13

コメント

_ (未記入) ― 2013年03月14日 15時04分58秒

市杵島姫命とか言っても一般には判りづらいのでは?
宗像神社とか、海人との関係とか簡単な私見でも記載してくれるとさらに興味がわくのでは?

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