住吉神社〜海人族の末裔①2013年08月24日 18時34分18秒

美しかった君はもういない
腐敗した肉体と汚穢に満ちた言葉を吐くあの女は
最早美しかった僕の妻ではない

服も身体もこんなに汚れてしまった
この海でならきっと
身体の汚れも
変わり果てた妻のことも
きれいに洗い流してくれるだろう

イザナギは海へ飛び込み一気に底へと潜る
その時
底で生まれたのが底筒男命ソコツツノオノミコト
中間で生まれたのが中筒男命ナカツツノオノミコト
水表で生まれたのが表筒男命ウワツツノオノミコト

この住吉三神は九州を拠点とした住吉海人族の祖神
新羅を征伐した神功皇后が大阪の地に
住吉神社の総本社を創建した
当時大阪の地は南北に突き出た半島であり
淀川が運ぶ土砂で出来た小さい島が幾つも並んでいた
どうやら小さい島ごとに海人族が住み着き
住吉三神を祀ったのだろう
幾つもの住吉神社の分布を見ると
今でも当時の大阪の海岸線が想像出来る

田蓑島もその一つ
住吉三神を祀る田蓑神社がある
天正年間、徳川家康が多田の廟へ参詣の折り
田蓑島の漁夫等が渡船を勤めた
その際、家康は地名を佃と改め
江戸へ下る際に村人34人を従わせた
後に幕府により干潟を賜り
故郷の名を取り佃島と定め
田蓑神社を分祀し佃島に住吉神社を建立する

田蓑神社のパンフレットには
佃島の漁民は全国何処でも漁をしてよし
税はいらないという特別のご褒美をいただき
本家である大阪の佃も愈々栄えました
人助けにより後々の村の繁栄がもたらされたのです
と締めくくられている

だが
まだ江戸幕府も開かれてない時代
武蔵の地は荒れた湿地にポツポツと村がある程度
親切にしてくれたから連れてってやるぜと言われて
ほいほい着いて行く奴がいるだろうか
あるいは無理矢理連れて行かれたのか
泣く泣く故郷を離れたのだろうか

鍵は
彼等は海人族の末裔である
ということだ



住吉神社
東京都中央区佃1-1-14


田蓑神社
大阪市西淀川区佃1-18-14