弥生廟 ― 2013年10月26日 18時15分03秒
川路利良は帰らなかった
西郷は帰ってしまったが
付き従った多くの藩士達とは袂を分かち
薩摩へは帰らなかった
地下鉄九段下駅から
日本武道館へ向かう途中
田安門を潜った傍に不思議な空間がある
狛犬や石灯籠が置かれる細い階段を登ると
重厚な雰囲気を漂わす小祠が現れる
神社にしては鳥居が見当たらず
しかし神明造りの本殿と
吹き抜けの拝殿を配することから
明らかに何らかの信仰施設であることがわかる
ここには
犯罪捜査の途中で殉職した警官や
消火活動の中で命を落とした消防士が
神様として祀られている
その数は2500柱に及び
戦後の政教分離により
警視庁では管理できなくなったが
有志によって現在でも合祀と慰霊祭が続けられる
正真正銘の神社である
そしてまた
ここは別な意味で特別な地でもある
関東大震災により壊滅的な被害を受けた帝都東京
まだ現人神であらせられた昭和天皇が
この地を踏みしめ
復興した街々を眺めた場所なのだ
これは野立てといって
眺めた場所にパワーを送り込む呪術行為なのだ
弥生廟はこの地に
戦後遷されている
天皇は人間になってしまったが
殉職者を神とする神社の遷宮に
特別なこの地が選ばれたのには
外国人などには決して理解できない
深い意味があったのかもしれない
西郷隆盛は
役目を失った武士の魂を
一身に引き受け死んでいったが
西郷は帰ってしまったが
付き従った多くの藩士達とは袂を分かち
薩摩へは帰らなかった
地下鉄九段下駅から
日本武道館へ向かう途中
田安門を潜った傍に不思議な空間がある
狛犬や石灯籠が置かれる細い階段を登ると
重厚な雰囲気を漂わす小祠が現れる
神社にしては鳥居が見当たらず
しかし神明造りの本殿と
吹き抜けの拝殿を配することから
明らかに何らかの信仰施設であることがわかる
ここには
犯罪捜査の途中で殉職した警官や
消火活動の中で命を落とした消防士が
神様として祀られている
その数は2500柱に及び
戦後の政教分離により
警視庁では管理できなくなったが
有志によって現在でも合祀と慰霊祭が続けられる
正真正銘の神社である
そしてまた
ここは別な意味で特別な地でもある
関東大震災により壊滅的な被害を受けた帝都東京
まだ現人神であらせられた昭和天皇が
この地を踏みしめ
復興した街々を眺めた場所なのだ
これは野立てといって
眺めた場所にパワーを送り込む呪術行為なのだ
弥生廟はこの地に
戦後遷されている
天皇は人間になってしまったが
殉職者を神とする神社の遷宮に
特別なこの地が選ばれたのには
外国人などには決して理解できない
深い意味があったのかもしれない
西郷隆盛は
役目を失った武士の魂を
一身に引き受け死んでいったが
川路利良は
自らのミッションに従い
欧米の警察制度を導入し
現在の警察の礎を築いていく
その勤勉さもまた
武士の魂の発露であったとは言えないだろうか
川路利良は
靖国神社には入れなかったが
この弥生廟に特別功労者として
殉職者達と共に神様として祀られている
自らのミッションに従い
欧米の警察制度を導入し
現在の警察の礎を築いていく
その勤勉さもまた
武士の魂の発露であったとは言えないだろうか
川路利良は
靖国神社には入れなかったが
この弥生廟に特別功労者として
殉職者達と共に神様として祀られている



弥生慰霊堂
東京都千代田区北の丸公園2-4
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