天満宮2014年12月13日 17時59分39秒


さらさらと流れる川の畔を
小さな男の子と女の子が
仲良く手をつないで
ゆっくりと天神様の方へ歩いてゆく

男の子は祠の傍の箒のような
大きな銀杏の木を見上げている
痛くなるくらい
首を曲げて

天神様の向こうでは
お母さんが待っている
早くおいでと
お母さんが手を振っている

江戸時代
市中への給水を目的に
大規模な土木工事が決行され
武蔵野台地を貫く
玉川上水が開通した

人口が密集し続ける市中に
潤沢な飲み水が供給される
徳川幕府の
優れた行政機能と実行力

浮世絵など見ると
玉川上水は言わば開削した川であり
目の前を飲み水が流れていたわけで
塵芥や小便など流す人はいなかったのかしらと
余計な心配をしてしまうが
川辺には桜が植えられたり
神社があったりと
人間の知恵による
自然の利用と共生がはかられた
なんだか優しい光景が浮かぶ

さて現在
都庁にほど近いこの地は
高層ビルやら高速道路やらで
往時のイメージを持って訪れると
すっかり都会になっちまった感が
存分に味わえるベストスポットとなっている

だけど
よく眺めてほしい
川と橋は消えたけど
川辺にあった
天神様の小祠と箒銀杏の大木を
残すように守るように
マンションが建設されている
設計者の意図や地元の事情などは知らないが
自然の利用と共生がはかられた
なんだか優しい光景に見えるのだ




天満宮
東京都渋谷区代々木3-23

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