白山神社2013年06月15日 23時39分28秒

死んでしまった君にもう一度会いたくて
悲しくてどうしようもなくて
でも
僕が弱虫だったんだね
伊弉諾尊イザナギノミコトは
変わり果てた妻へ最後の言葉をかける

その時現れるのが
菊理媛神ククリヒメノカミ
イザナギに言葉をかけ
イザナギはそれを褒める

その言葉は記されていない
ククリヒメもそれきり現れない

白山神社の祭神は
ククリヒメとイザナギ・イザナミ
石川県と岐阜県に跨がる白山への
山岳信仰がその母体だ

悲しい歴史と結びつけて語る学者や
安全な場所にいて勝手なことをほざく輩がいるが
いにしえの記紀の作者達のように
敢えて記さないという優しさを
現在の我々は持ち合わせてないのかもしれない

文京区の白山神社の境内は
ちょうど紫陽花が見頃
この時期だけ紫陽花で埋まる富士塚にも登れる
神社はいつも
人を選ばない優しさに溢れてる



白山神社
東京都文京区白山5-31-26

駒込富士神社2013年05月26日 17時45分01秒

この国を治めよというアマテラスのミッションを受け
邇邇芸能命ニニギノミコトは天降った
そして木花咲耶姫命コノハナサクヤヒメという
名前も美しい驚くほどの美人と出会う

俺は今お前とやりたいと思っている。どうだ。と
最高にストレートな口説きにサクヤヒメは
お父さんに聞いてよ。と
つれない返事

ニニギはそれならばと
父親の大山祇命オオヤマツミノミコトに使いを送る
オオヤマツミは喜んで姉の石長比売イハナガヒメも
セットでつけましょうと豪気な対応

ニニギの許に姉妹はやって来た
ところが
姉のイハナガヒメがあまりにもブサイクだったため
お前は帰れと親元へと帰してしまい
サクヤヒメと一夜の交わりを果たす

そんな美人の神様を祀るのが
富士山にある浅間神社
そしてわざわざ富士山に登らなくても
ご利益を得られるよう
至る所に美人の神様を分祀した
ミニ富士山(富士塚)が築かれる
この疑似富士登山は江戸の人々の間で大流行する

駒込にある富士神社も
そんな富士塚の一つ
富士山が世界遺産になれば
その見立てである富士塚達も
是非認定いただきたいと思うがどうだろう

由緒書きに
旧本郷村の名主がサクヤヒメの夢を見たので
ここに神社を勧請したとあるが
その名主の名前が牛久保隼人
サクヤヒメはもともと隼人族の女神
この東国での隼人という名の符合は
一体何だろうか

さて
身籠ったサクヤヒメに
えー本当に俺の子かよ。1回だけじゃん。と
ニニギは逃げ腰
サクヤヒメは
この子が神の子なら無事産まれてくるでしょう
その時は認知しなさい。と
産屋に閉じこもり火をつける
そして激しく燃え盛る炎の中で
後に神武天皇へとつながる三柱の神を産む

これを見たニニギは
参ったなぁ。と
思ったかどうかは知る由もない



駒込富士神社
東京都文京区本駒込5-7-20


太田神社2013年04月28日 17時34分31秒

世界が暗闇に閉ざされた中
炎が灯されたステージに
強烈なビートが鳴り響く
髪の毛を振り乱し
汗を撒き散らしながら
天鈿女命アマノウズメノミコトは 踊り続ける
乱れた衣服から遂には乳房も女陰も露に
ステージは絶頂を迎え
オーディエンスは総立ちで盛り上がる

そんなウズメちゃんが牛天神北野神社の境内社として
夫の猿田彦命サルタヒコノミコトと一緒に祀られている
しかしこの神社
元は暗闇天女という貧乏神が祀られていた
名前からして怪しい民間信仰のいわゆる淫祠というやつだろう
ウズメちゃんが登場したのは
淫祠迫害からの逃避策だったのかもしれない
しかもさらに合祀社である高木神社の祭神はあの第六天

男気溢れるウズメちゃんは
オロオロするサルタヒコを尻目に
たぶんこう言った

アンタ達、行くところがないなら
ここにしばらくいなさいよ
道真のダンナには
アタシが話をつけてあげるから



太田神社(北野神社境内社)
東京都文京区春日1-5-2


湯島天神2013年03月03日 18時27分56秒

まだまだ寒いと思ってたのに
境内は梅まつりで賑わっている

由緒によると菅原道真が祀られる以前
1500年も前に雄略天皇の勅命によって天之手力雄命が祀られたのが始まり
日本書紀など読むと雄略天皇といえば
なんだかプリプリ怒ってヒョイヒョイ人を殺してしまう暴君のイメージ
徳の無い人物がリーダーになると周りがものすごく苦労するのは
いつの世も変わらない

群馬県の稲荷山古墳から出土した鉄剣に
金文字でワカタケル大王とあるのが雄略天皇のことだという
権力が東国にまで及んでいた証拠だ
だとすると
湯島天神の起源もまんざらではないということか

長い時間の中で位置づけや意味付けが変遷し
今や受験生に大人気の神社であるが
人ごみを離れた境内の片隅にはひっそりと
古代の暴君の権力の痕跡が
戸隠神社として今に残っている



湯島天神
東京都文京区湯島3−30−1